対コロナ! 換気の切り札、熱交換器が熱い!
冬に向けて、熱交換器の売れ行きがいいという。
熱交換器とは、読んで字のごとく、温かい空気から冷たい空気へ、もしくは冷たい空気から温かい空気へ「熱」を移動させる(熱交換させる)機器である。
新型コロナウイルス感染症の流行の中で、大声や咳等から発せられるマイクロ飛沫による感染、ウイルスを含むエアロゾルによる感染などを防ぐために、室内の換気が求められている。
この対策として、
・対角線上にある窓を2cmずつ開ける
・1時間に2回、大きく窓を開けて換気を促す
・サーキュレーターを窓の外に向けて回して、外に強制的に空気を出して別の窓から新鮮な空気を入れる
などが対策法が説明されているが、せっかく暖房で温めた室内の空気を入れ替えると室温が下がるため、寒くなるにつれて、だんだんと空気の入替を行わなくなることが懸念されている。
そこで活躍するのが「熱交換器」だ。
前述したが、「熱交換器」とは、簡単に言うと、温もった部屋の空気を外に出すときに、外から入る新鮮な冷たい空気に熱を渡し、空気を温めてから部屋に入れる機械である。
夏には逆に、クーラーで冷えた部屋の空気を外に出すときに、外から入る新鮮な温かい空気から熱を奪い、冷やしてから入れることができる。
熱交換器内では、出る空気と入る空気が間接的に交わる部分の表面積を可能な限り大きくすることで熱交換率を高めている。まったく同じ温度という訳にはいかないが、窓を開けることなく、室温をある程度一定に保ちながら換気をすることができるようになる。外が寒い時に30分に1回窓を全開することを考えると、導入したくなるのも当然だろう。長い目で見ると、光熱費で工事費を回収出来るかもしれない。
豪雪地帯や北国などの高機密住宅では、新築住宅には標準設備に近い形で付けられていたものだが、「換気」が注目されるコロナ禍の中で、店舗の標準装備になってくるのかもしれない。
国内空調シェア1位、世界でも首位というダイキンでは、後付け露出型の全熱交換ユニット「ベンティエール」を発売し、空調設備の充実でコロナ時代を乗り越えようとしている。
見栄えの良いマットな黒色の露出型とすることで、工事費を軽減させて導入しやすくしており、見込み通り結構売れているようだ。
このベンティエールは、CO2センサーを搭載すれば、CO2濃度に応じて換気量を自動制御する機能も持っており、通常、部屋と外気の空気の入替ができない室内エアコンと補完すれば、店舗の高機能空調が可能となる。
このような高機能設備が広まることで、ストーブを付けたまま換気をせずに起こる一酸化炭素中毒の事故も防ぐこともできるようになる。
コロナ対策の一つとして、本格的な冬が到来するまでに、熱交換器の導入を検討してはいかがだろう。