関越自動車道の立往生 その原因は亀?
コロナ禍の令和2年12月16日から18日まで続いた記録的な大雪により、まだ車両通行止めが続いている関越自動車道の渋滞は、最大時、約15キロ、約2100台の車両が立往生した。
ニュースを見る限り、原因について詳しく述べていないが、私が思うに先頭がスリップ等で道をふさいで立ち往生したか、もしくは「亀」になっている車がいるのではないかと推察している。(原因については、ページ下部に追記)
「亀」とは、車両のお腹に雪がつかえて前にも後ろにも行けない状態で、雪道を走るときに時折遭遇する現象である。
ハマってすぐにバックできれば脱出できることもあるのだが、後続車両が続いている高速道路では、それもできなかったことも考えられる。
また立ち往生が続くと、前後の積雪が深くなり、更に脱出が困難になる。そして亀になっていない車も亀になる可能性を秘めている。
もし今回の立ち往生の原因が「亀」だったら、先頭車両の人のプレッシャーは半端じゃないだろう。
実は私はこれまでに2度、亀になったことがある。
雪国では、冬になると除雪する道と、しない道に別れ、除雪する道には不定期に除雪車が入るほかに、融雪パイプが設置されているところもあって、いつも地下水を出して雪を溶かしている。
一方の除雪しない道は、春になるまで雪が積もり放題になり、冬の間は道ではなくなるのだ。
ちょうど雪が本格的に降り始めたころのある日、いつも通っている脇道(除雪しない道)を走っていたら車の動きが悪くなってきた。
嫌な予感がしたが、新雪に近い雪だから大丈夫だろうと無理に突っ込んでいくと、エンジン音はするものの前に全く進まなくなった。
車のお腹に雪が使えたとわかって、バックしようとしたが、既にバックもできない状況に。
つまり「亀」になったのだ。
車の重量は1t以上あるので、車が乗れば雪がつぶれると思っていたのだが、亀になってはじめて雪の怖さがわかる。タイヤが空回りするだけで全く動かないのだ。
脇道(除雪しない道)なので他の車両は来ない。既に16時を過ぎているくらいだったので段々と暗くなりそうな気配もして、急いで動かさないと春まで動けないことになりそうだった。
数百m先に民家が見えたので、もし車を出せるのなら、後ろに引っ張ってもらえないか相談しにいくことにした。
民家にはおばさんがいて
「明日なら対応できるが今は車がない。明日また相談に来てくれ」とのことだった。
こんな民家もないところで車の中で一夜を過ごすわけにはいかないので、とりあえず民家でスコップを借りて自力で脱出することにした。
車の腹の下に詰まった雪をスコップでかき出し、まずはタイヤが地面に着くようにした。
念のため、バックしやすいように後方の雪も少しかいておいた。
所要時間は30分以上かかり、汗びっしょりになった。
そして、なんとかバックで本道に戻ることができた。
近くに民家がなかったらどうなっていたか考えただけで不安になり、さっそく帰り路にホームセンターでスコップを買った。
雪国のホームセンターには、いろいろな雪かき用の道具が売っていて、タイヤのない一輪車のような「スノーダンプ」、プラスチック製のスコップなどもあったが、プラは弱い感じがしたので、アルミ製のスコップを購入した。
次に亀になったのは仕事場でのこと。
休み明けに駐車場の雪かきをしていて、段々と疲れてきたため車で雪をぶっ飛ばそうという話になった。
会社の車は4WDのトラックだったので雪の壁にバンバンぶつかっていって、車が通れるスペースを広げていたのだが、雪が段々と圧縮されて固くなり、最後に「亀」になった。
4WDはどんなところにもいける「無敵」だと思っていたので、かなりショックだった。しかも雪が固まっていて、亀からの脱出作業は結構大変だった。
雪国は楽しいことも多いが、命の危険を伴うことも多いので注意が必要だ。
・坂道を上る時はギアチェンジをしてはいけないとか(同じトルクで進んでいると動けるのだが、ギアチェンジすると急にスリップし出すことがある)
・ブレーキはエンジンブレーキを最大限使用することとか(ブレーキを踏むとすぐにロックし、ハンドル操作が出来なくなる)
・駐車する時はハンドブレーキをかけてはいけないとか(ハンドブレーキのワイヤーが戻らなくなり、解除出来なくなる)
・駐車する時はワイパーを立てておかないといけないとか(屋根やフロントガラスに積もった雪の重みで折れ曲がったり、凍結してしまう)
いろいろなルールがあるので、生活する場合は覚えておかないといけない。
今回のニュースを見て、雪国に行くときは、
スコップを持っていかないといけないことを再認識した。
【原因について】
ニュースの解説では、ノーマルタイヤの車両が登板できなかったり、トラックが擦り減ったタイヤを履いていたことなどによる複数台のスタックが主な原因とのこと。
これと記録的な大雪が重なり、救援の遅れ、通行止めの判断の遅れなどが、相乗的に重なったようだ。