アラフィフ、この1年の変化
最近、耳が遠くなった。
年齢からくるものなのだろうが、人の話が聞きにくくなった。
しかし、今はコロナの時代。
自分の耳が遠くなって聞こえていないのに
「もう一回言ってもらえますか?」
と聞き返すと、
相手は
「活舌が悪くてすいません。マスクをしているから...」
などと、謝りながら丁寧に言い直してくれる。
人々の心は、すこし大らかになったのかもしれない。
マスクによって冬でも寒くなくなった。
インフルエンザの流行もなかった。
そして、マスクによって女性たちがきれいになった。
「広瀬すずに似ているって言われませんか?」
「若いころに吉永小百合に似ていたんじゃないですか?」
こんな言葉が、お世辞でなく出るようになった。
褒められて嫌がる人はおらず、誰とでも明るく話せるようになった。
その理由は、やはりマスクだ。
人間は、マスクから外に出ている「眼」だけを見ていたら、マスクに隠された鼻と口は、自然と自分に都合がいいように想像してしまうようなのだ。
もしかしたら、ワクチン接種でコロナに耐性ができて、マスクが不要になった時に、コロナ時代に知り合った人と面と向かっても気づかないかもしれない。
いずれイスラム教のベールのように、マスクが標準の装いになったり、ドレスコードに「不織布のマスク」とか、「黒いマスクで」などと書かれるようになるかもしれない。
苦しい時だからこそ、そんな無駄なことを考えるようになった。
もう付ける必要はないのに、
「今日は黒のマスクにしてみた」
と、おしゃれでつけるようになる日がきてもいいかもしれない。