今日もニュースで、首から下げるだけの空間除菌に根拠がないとの報道がなされた。
今回指摘されたのは、株式会社レッドスパイスが販売する「SARARITOウイルスブロッカー」という商品だ。
首から下げた部分に仕込まれている二酸化塩素（ClO2）の働きで「空間のウイルスから除菌・除去」など、この商品を首からぶら下げているだけで新型コロナウイルスに感染しないかのような印象を与えていたのだ。
消費者庁が「SARARITOウイルスブロッカー」を調査したところ、合理的な根拠はなく、宣伝が景品表示法違反にあたるとして再発防止などを命じたとのことだ。
この日からさかのぼること約１０カ月、
令和２年５月１５日、消費者庁は、携帯型の空間除菌用品に「身につけるだけで空間除菌」等の表示がなされている商品は、当該表示の根拠資料が、狭い密閉空間での実験結果に関する資料であることがほとんどであり、風通しのある場所等で使用する際には、表示どおりの効果が得られない可能性があります」と注意喚起し、５事業者に対して、再発防止等の行政指導をした。
空間除菌剤「クレベリン」を販売している大幸薬品は、翌日、即座に自社が販売する「クレベリン」は行政指導の対象となった商品ではないよ！というNews Releaseを行った。
つまりクレベリンは空間除菌ができる！とうことを立証した形になったのだ。
このようなこともあって、大幸製薬の空間除菌剤「クレベリン」は、更に人気を博し、最高で一週間に6万個以上売れるという爆発的な大ヒット商品となった。
クレベリンは爆発的に売れて、大幸薬品の2020年度の売上げを爆上げさせる特殊要因となり、営業利益も前年の約1.7倍に膨れ上がったとのことだ。
実はこのクレベリンには思い出がある。
日本で新型コロナウイルスがまだまだ下火だった2020年２月頃、飛行機を使った出張があった。
「東京ではコロナ患者が出ているから」
と家族が私の感染を心配して、まだ品切れ状態になる前の「クレベリン」をコロナ除けとして買ってきてくれた。
まるで粗品でもらう短めのボールペンの容器の中に、ポキッと折ると２週間程度使用可能なカートリッジが入っていた。
早速、スーツの胸のポケットにクレベリンを刺し、空港の保安検査に向かった。
「よしっ、これで安全だ！」
腕時計、携帯、小銭が入った財布を網かごに入れ、金属探知機をくぐる。
すると警備員の女性が話しかけてきた。
警備員 「胸に刺しているのは何ですか？」
わたし 「あっ（ちょっとうれしそうに）
これはクレベリンです。
妻が機内での感染を気にして
買ってきてくれたんですよ」
警備員 「あのー（少し困った様子で）
クレベリンは機内持ち込み
できませんので、
こちらで置いて行って
いただくことになります」
わたし 「えっ？
機内の感染予防のためですよ」
警備員 「はい、決められているので．．．」
わたし 「えっ？
感染対策のために
わざわざ買ったんですよ！
機内では絶対にコロナ
移らないんですか？」
警備員 「すいません、決まりなので」
わたし 「さっき開けたばかりなんですよ」
警備員 「すいません、決まりですので」
外側のケースも
置いて行かれますか？」
わたし 「あっ中身だけ置いていきます」
そして、意気消沈して、中身が空っぽになったクレベリンのペン型ケースを胸にさして機内に乗り込んだ。
すると、今度はフライトアテンダント（スチュワーデス）が
スッチー 「お客様、機内にクレベリンを
持ち込まれると．．．」
わたし 「あっ、
中身はさっき保安検査で
没収されました」
スッチー 「大変失礼しました」
出張中、ネットで調べたところ、
クレベリンの成分である「亜塩酸ナトリウム液」が危険物にあたるということで、注意書きが書かれていた。
そして私は、開けてすぐのクレベリンを取られた怒りと、感染への恐怖を感じながら空の旅をしたのであった。
しかし、Amazonを調べてみると、まだ売っていた。大丈夫なのかなぁ？
ラッパのマークの大幸薬品の売上を爆上げさせたクレベリン
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