高齢者に厳しい? リモートワーク始まる
コロナ禍が長引き
働き方が変わっていく中で、
とうとう定年前の人材にもリモートワークの波がやってきた。
定年前の昭和真っ只中世代なので
会社と社員、職場の仲間との繋がりを特に大切にしてきた世代なのだが、個々の人材の能力の集積による分散型の業務遂行にも取り組まねばならなくなってきたのだ。
大好きだった「飲みにケーション」という言葉もコロナ禍では死語になりつつある。
行きつけの小さなスナックやバーなど、飲み屋業界も業態変革が必要なのかもしれない。
大手企業では、住宅設備の総合メーカーLIXIL(リクシル)が、本社の土地と建物を売却して、3000人規模だった本社の座席数を1/3の1000人程度に減らすと発表した。
記事によると、実際、現在のLIXILの出社率は、席を固定しない「フリーアドレス」やテレワークの併用で10~15%程度にとどまっているとのことだ。
つまり300~450人程度しか出勤していないのだ。
そんな時代の流れの中で、私もリモートワーカーの一員として会社から支給されたリモート用のパソコンを家に持ち帰り、翌日からテレワークがはじまることとなった。
いよいよリモートワーク
出退勤は自宅のパソコンで行い、終了時には上司から指示された業務の進捗度合いを報告することになる。
使用する業務データはクラウド上で管理し、リモートのパソコンには保存しない運用となる。
LIXILと同様に、席を固定しない「フリーアドレス」で仕事をしているのと同じ具合で、ただフリーアドレスの席が自宅にあるだけの違いだ。
高齢になり、早起きになったため、朝がゆっくりできるのはそれほどのメリットではないが、通勤せずに好きなときにコーヒーを自由に飲めるのは個人的に大きなメリットである。
帰りに一杯ひっかけることができないのが残念だが、コロナ禍の中で、品行方正な行動をしているので問題ないところだ。
えっ?こんなこと聞いてないよー
朝、早速、自宅のデスクでパソコンを開け、指紋認証をする。
会社のクラウドに入るには高度なセキュリティを超えないといけないので、個人を特定するための指紋認証を使っているのだ。
すると、
「認証できません」
の文字が…
あれっ?と思い、何度も指紋認証を繰り返す。
が、全く認証されない。
仕方ないので、社員証でネットワークに入ろうとしたが、自宅にカードリーダーを置いていなかったので、社員証を読み込むことができない。
「これじゃ仕事ができない」
と思い、IT担当に電話をかける。
細かい話だが、この電話代は自宅から会社にかけるので自腹になる。
私「すいません、指紋認証で認証されず、ネットワークに入れないのですが…」
IT担当「寒くなってきてから問い合わせが多いんです。
指が乾燥したり、手が荒れたりしていると指紋認証ができなくなるんですよね」
IT担当も、わかっているのなら事前に対策を考えて欲しい!
ネットで調べてみると、
指の乾燥は対策しにくく、
ハンドクリームを塗ると油分で認識しなかったり
水や汗で濡れていても、指紋が認識されなかったりするらしい。
結局、その日は会社のネットワークに入ることができず、やむなく上司に電話して、急遽、休みを出すことになった。
iPhoneユーザーの方は、Touch IDで経験している人も多いそうなのだが、指が乾燥する冬場はTouch IDが使いにくくなるのでパスコードに変える人が多いそうだ。
年をとると自然に手が乾燥してくる。
紙の資料をめくる時も、昔のじいさん教師のように指に唾をつけたくなる。
テレワーク用のリモートパソコンまでもが高齢者を疎外しようとしている。
テレワーク時代に完全に乗り遅れそうだ。