定年前にして惑い未だ天命を知らない

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エルメスの時計「クリッパー」

 

フランスの高級ブランド・エルメスをご存じだろうか。

馬具などの皮革製品から生まれたブランドだが、そのエルメスが作り上げたオール金属製の時計がある。

それが「クリッパー」である。

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10年ほど前に購入した私のクリッパー

そもそもエルメスは、1837年、日本では天保8年、大塩平八郎の乱が起きた頃に、フランス・パリのマドレーヌ寺院界隈に馬具工房を開いた。

エルメスが作る職人気質の優秀な馬具は、ナポレオン3世ロシア皇帝などを顧客とするなどして発展した。

その後、エルメスがすごいのは、自動車の発展による馬車の衰退を予見したことである。馬具製造で培った革製品のノウハウを元に、鞄や財布などに事業の軸足を移して、今日まで続く一流のブランドとして成功に至ったのである。

 

エルメスは、馬具からファッションアイテムへと事業を転換していく中で、腕時計の製造にも着手。

1920年代当時は、ジャガー・ルクルトやユニバーサルといったスイスの時計メーカーと共同でエルメスのデザイン時計を発表。それまで主流だった懐中時計の鎖の代わりに革のストラップを装着するなど、エルメスが持つファッション性の高さと、革製品の製造で培った厳格な慧眼によって腕時計の世界でも地位を確立したのだ。

 

1978年(昭和53年)には、スイス・ピエンヌに時計専門の子会社ラ・モントル・エルメスを設立し、本格的に時計製作に取り組んだ。

そして1981年(昭和56年)に、皮革を使用しないシリーズとして登場するのが、今回のタイトルにある「クリッパー」である。

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一緒に購入した奥様のクリッパー。
文字盤には貝が使われている。

クリッパーの基本はステンレス製のブレスレットタイプで、エルメスが世に送り出したバックのケリーやバーキンと同様に、エルメスを代表する腕時計として、1981年(昭和56年)~2018年(平成30年)までの38年間、文句なしのロングセラーモデルとなった。私たちも2010年くらいに購入したと思う。

 

時計の名前「クリッパー」とは、19世紀前期に大海原へ繰り出していった3本マストの大型帆船のことで、clipper shipと表したりもする。

クリッパーの特徴は、船体を細くし、船首の水切りの部分を水面に対して大きく前に傾斜させるなど、船の安全よりも高速に重点を置いて建造していることで、その高速性から「快速帆船」と訳されることもある。

当時の貿易の形から、中国からイギリスへ茶を輸入する船は「ティー・クリッパー」、アメリカ西部の金鉱発見で南アメリカ最南端のケープ・ホーンを迂回して航海する船は「ホーン・クリッパー」、オーストラリアから羊毛をイギリスに運ぶ船は「ウール・クリッパー」などと呼ばれた。

1869年(明治2年)にスエズ運河が開通したころからは、風まかせの帆船は、その地位を汽船に譲り、第一線から退いていった歴史を持つ。

エルメスの時計クリッパーは、その帆船の船体にあった丸い舷窓(げんそう)から着想を得て、丸く美しいラウンドフォルムと、ベゼルに舷窓様のビスをあしらったモデルである。

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10年も使うと傷だらけだ

鏡面に磨かれたステンレススティールの筐体に、エルメスの頭文字である「H」が連なった金属製のブレスレットが使われている。

愛らしい丸形のフォルムで、どんなシーンでも使うことができることが好まれ、多くの女性たちに愛用された。

宝石やピンクゴールド、タペストリーに貝を使ったものなど、様々な装飾をあしらったモデルが登場した。

しかし2018年(平成30年)、クリッパーシリーズは惜しまれつつ廃盤(生産終了)となったのである。

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電池交換するとこんな袋に入れて返ってくる

実は最近の若者は、スマホをいつも持ち歩いているため、我々定年間近のサラリーマンの必需品である腕時計を着けていない人が増えている。

そんなことが、徐々に腕時計市場に影響を与えているのかもしれない。

腕時計も

・メンテナンスに手間がかかるのに不正確な手巻きや自動巻きの機械式の時計

・電池交換が必要となるが、ある程度正確なクォーツの時計

・うまく電波を取れなかった時に、時々変な時間になることもある電波時計

・電池交換が必要なくなったソーラー時計

など、腕時計も日々進化しているのだが、スマホには勝てないのだ。

そんな中、生まれたのがメールの着信等がわかるスマートウォッチだ。

 

でも、やはり我々の年代は、お気に入りの時計は必需品だ。

が、実は、私も今、アップルウォッチなどのスマートウォッチに興味深々だ。

 

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