すごいわ半沢、銀行の頭取になった話。池井戸潤さんと同期とは
ネット上では、「半沢が本当に頭取になった」といった話題がホッとである。
Yahooのリアルタイムやニュースでも上位に入っており、注目度合いがわかる。
今年の「半沢直樹」は、定番ともいえる「倍返し」に加えて、
「詫びろ、詫びろ、詫びろ~」
「お・ね・が・い・し・ま・す」
「おしまいDEATH!」
など、アドリブで生まれたという多くの決まり文句を生み、新しいドラマの楽しみ方を提案したチャレンジングなドラマであった。
またコロナ禍で撮影が予定通りにいかず、途中1回を、ドラマのキャスト・スタッフによる生放送トークバラエティー『生放送!!半沢直樹の恩返し』に変更するなど、画期的な取り組みもあった。
ドラマファンにとっては、親近感が湧く、新しいテレビのあり方のヒントになるかもしれないと感じた。
\✨最新‼︎最終回予告✨/
— 半沢直樹【応援ありがとうございました‼︎】 (@Hanzawa_Naoki) 2020年9月26日
9月27日(日)夜9時から"最終回"15分拡大SP‼︎
半沢、1000倍返しなるか⁉️
それとも…さらば、半沢直樹⁉️#半沢直樹 #みんなで半沢直樹見よう #tbs pic.twitter.com/Ns6rFMbL10
その「半沢直樹」と同じ苗字を持つ、三菱UFJ銀行の半沢淳一取締役常務執行役員(55)が、なんと計13人いる副頭取と専務を抜き、頭取の座を掴むという、現実がドラマを超えたような人事を固めたというから話題になる訳だ。
ドラマ「半沢直樹」も、次は頭取かと注目されているが、リアルの半沢頭取の経営手腕も楽しみだ。
半沢氏の略歴を調べてみた。
完全な個人情報である。でも、さすが頭取ともなるとIR情報にもしっかりと書かれている。
半沢淳一氏(はんざわ・じゅんいち)
生年月日 1965年1月19日生
1988年(昭63年)東大経卒、三菱銀行入行。
埼玉県出身
年代 | 内容 |
2012年 | 三菱UFJFG出向兼企画部部長(特命担当) |
2014年 | 執行役員 経営企画部長兼財務企画部副部長 |
2015年 | 三菱東京UFJ銀行執行役員企画部長 三菱UFJFG執行役員経営企画部部付部長 |
2016年 | 三菱東京UFJ銀行執行役員経営企画部部長(特命担当) 三菱UFJFG執行役員経営企画部部長(特命担当) |
2017年 | 三菱東京UFJ銀行執行役員経営企画部長 三菱UFJFG執行役員経営企画部長長 |
2018年 | 三菱UFJ銀行執行役員経営企画部長 同執行役員名古屋営業本部長 |
2019年 | 取締役常務執行役員 |
2021年 | 三菱UFJ銀行頭取(予定) |
これまで渡り歩いた職場を見ても、ドラマ半沢直樹のような証券会社への出向などなく、エリートコースまっしぐら。「特命担当」にも何度もなっている。
経歴には係長時代のことは書かれていないが、きっと係長時代は「特命係長 只野仁」のように、精力絶倫、筋肉モリモリの鋼の肉体をもったキレッキレの係長だったのかもしれない。
彼の入社時期と銀行の歴史を少し表に現わしておく。
実は、「半沢直樹」の原作者である池井戸潤氏と半沢氏は三菱銀行同期入社なのだ。
年代 | 内容 |
1941年 | 愛知銀行・名古屋銀行・伊藤銀行(名古屋最初の私立銀行)の3行が合併し「東海銀行」が誕生。中京圏に本店を置く唯一の都市銀行でだった。 |
1946年 | 東京銀行は、GHQによって解体された戦前の特殊銀行・横浜正金銀行が実質的な前身 |
1988年 | 半沢淳一と池井戸潤が三菱銀行入行 |
1995年 | 池井戸潤が三菱銀行を退職 |
1996年 | 三菱銀行と東京銀行が合併して「東京三菱銀行」が誕生 |
2001年 | 三和銀行・東海銀行・東洋信託銀行の株式を金融持株会社UFJホールディングスへ移転 |
2002年 | 三和銀行・東海銀行・東洋信託銀行が合併し「UFJ銀行」が発足 |
2006年 | 東京三菱銀行とUFJ銀行が合併して「三菱東京UFJ銀行」が誕生 |
2018年 | 「三菱東京UFJ銀行」から「三菱UFJ銀行」へと商号変更 |
年表を見ると、まさに二人はソウルオリンピックの年、1988年のバブル時代に入行し、そして池井戸氏は三菱銀行と東京銀行が合併するの前年、1995年に退職する。
ドラマ「半沢直樹」の原作タイトルの一つが小説『オレたちバブル入行組」なのだが、まさに自分や半沢常務のことなのかもしれない。
池井戸氏は、バブル崩壊や、合併する前の銀行の慌ただしい動きを感じ、合併後の動きを友人などからいろいろと聞きながら、「半沢直樹」のアイデアになるような事柄を膨らませていったのだろう。
リアルな三菱銀行と東京銀行の派閥争いが、半沢直樹が入行した産業中央銀行と、東京第一銀行の争いのネタの元になったとすれば、事実に裏付けされた読み応えのある小説になったのも頷けるところだ。
これからもリアル半沢氏の動きを研究しながら、新しいドラマ「半沢頭取」のネタを集めていってほしいものだ。