あなたにとってのMSGとは何か?
「M.S.G.」という略語がある。
略語と言うのは、自分がどの年代生まれか、どの業界に属しているのか、などによって大きく変わってくる。
Googleで「MSG」を検索してみると、
「グルタミン酸ナトリウム(Mono Sodium Glutamate)」
が検索上位に現れる。
日本の料理で言うと、主に昆布だしのうま味成分だ。
いくつかのサイトを調べてみると、
1968年にアメリカの科学者が、中華料理店で食事をしたあとに、顔のほてりや頭痛、首筋や肩にかけての灼熱感などの症状が出て、その原因が中華料理店で多用されている「うま味調味料」=グルタミン酸ナトリウムによるものであると科学雑誌に発表した。
これがきっかけとなって、グルタミン酸ナトリウムは「中華料理店症候群」(Chinese Restaurant Syndrome)を起こす原因物質として疑われ、注目を集めてきた。
現在では、多くの臨床試験等により、これらの症状とグルタミン酸ナトリウムの摂取とは因果関係がないことが科学的に立証されているらしいのだが、一部の乳幼児用の食品には、グルタミン酸ナトリウムの添加物なしという意味合いの
「NO MSG」
などと書かれているものがあるとのことだ。
我ら世代でいくと、M.S.G.は「マジソンバッグ」だ。
マジソンバックを企画、製造したのは日本を代表する旅行カバンメーカーのエース株式会社で、社の歴史を紹介するページには、マジソンバッグのことが掲載されている。
なんと2000万本を販売したということだ。
つまり、当時の日本国民の5人に1人がマジソンバッグを持っていたことになる。
しかも、このマジソンバッグは、マジソン・スクエア・ガーデンをイメージして作ったもので、マジソン・スクエア・ガーデンとは何の関係もないとのことだ。
洋物、舶来品という言葉に弱かった当時の日本人の感性をくすぐるため、全米の注目を集めるスポーツの殿堂の名前、耳に響きのいい「MADISON SQUARE GARDEN」と書いていただけなのだ。
決して、ニューヨークで流行っているとか、MADISON SQUARE GARDENの売店で売っていた訳でもなさそうなのだ。
憧れのマジソン・スクエア・ガーデン外観
バスケットボールで使用している画像
ちなみに私は、マジソンバッグの後に出だしたアディダス等のエナメルバッグ(形はマジソンバッグと同じ)を持っていたのだが、マジソンバッグにこんな秘密があったとは知らなかった。
「1960年代生まれが死ぬほど欲しかったアレ」
をテーマにした番組に出演した際に、欲しかったものとして、
・「TVジョッキー」の白いギター
・マジソンバッグ
をあげていたらしい。
マジソンバッグが流行っていたことも確かだが、
私の記憶では、既にマジソンバックのブームが終わった後に、コントのネタで、おさげ髪にセーラー服を着た女子中高生役がマジソンバッグを持っていて、とんねるずの石橋貴明か誰かががマジソンバッグを見て、からかい半分で
「おぉっ、エム・エス・ジー、マジソン・スクエア・ガーデン」
などと言っていたのではなかったかと思っている。
チュイン、チュイ~ンのマイケルシェンカー
更に、同時期に、もう一つM.S.G.がある。
Michael Schenker Group(マイケル・シェンカー・グループ)だ。
ドイツ出身のギタリスト、マイケル・シェンカー(元UFO・元スコーピオンズ)率いるハードロック系バンド。通称"M.S.G."だ。
マイケル・シェンカーは、1972年に実の兄ルドルフ・シェンカーの結成したスコーピオンズの一員としてデビュー。1974年からUFOに参加。
1980年からはM.S.G.(マイケル・シェンカー・グループ)を率いて活動している。
白黒のモノトーンで装飾されたGibsonのフライングVを股に挟む独特のスタイルで、哀愁漂う旋律と速弾きのテクニカルなプレイで、当時のギターキッズの間では絶大な人気を誇った。
友人たちと、ギターを持っては、ヒット曲「Armed and Ready」や「Doctor Doctor」の一部のフレーズを下手くそながら練習していた。
もしかすると他にも M.S.G. は、あるのかもしれない。
あなたの心の中のM.S.G.は何でしょうか?