超人といえばバロムワン ブロロロロー
「超人」と聞いて誰を思い浮かべるだろう。
私が初めて知った超人は「バロム・1」だ。
原作は、東洋系のスナイパーを題材にした名作「ゴルゴ13」を描いている「さいとう・たかお」が1970年に出した漫画であるが、記憶に深く残っているのは1972年に仮面ライダーに対抗して製作された実写の特撮テレビドラマだ。
「超人バロム・1」とは、
白鳥 健太郎(チビ)、木戸 猛(番長)の二人の友情パワーで変身する正義のエージェントだ。
肩から胸にかけて、アメリカンフットボール選手のショルダーパッドのようなゴツイ被り物のボディを持つ。
何がバロムワンの印象を焼き付けたか
そしてバロムワンの中で皆が印象に残っているのは、名曲として名高い「主題歌」である。
主題歌がどこかに落ちていないか検索していると、三宅裕司さん司会で、懐かしのテレビ番組を紹介する「テレビ探偵団」で、若かりし頃のダウンタウンの松本人志さんが
僕は仮面ライダーよりもバロムワン
と話し、バロムワンの主題歌を相方の浜田雅功と熱唱する場面が放送されている。
1990年 ダウンタウンが歌う超人バロム・1の歌 - YouTube
その歌詞がこれだ!
マッハロッドでブロロロローブロロロローブロロロロー
ぶっとばすんだ ギュンギュギュン
魔人ドルゲをルロルロロ
やっつけるんだズババババーン
バロムクロスでキューンキュン
二人で一人バロローム
みんなで呼ぼうバロムワン
必ず来るぞバロムワン
超人超人ぼくらのバロムワン
擬音だらけで何を意味しているのかも意味不明だ。
映像を検索している時に、「Yahoo!知恵袋」で多くの人が尋ねているQAもかなり見つかった。
例えば、こんな具合だ。
名曲の作詞は「八手三郎」
この「八手三郎」とは、Wikipedia(2021年8月3日現在)によれば、東映映像本部テレビプロデューサーの共同ペンネームで、単独の個人(自然人)の名義ではないらしい。
感じからすると、特撮のテレビ制作チームがみんなでふざけながら作ったに違いない。
誰、という名前がないので、その時の制作チームが作る、つまり「時代とともに身体と顔が変わる特異体質」「顔年齢はもちろん、性別が変わることもある」とされているとのことだ。
「八手三郎」の命名の意味合いは、「やってますよ」を時代劇調にした「やって候」からきたと語られているが、「なんでもやってみよう」「やってみろ」の転化であるとか、その時々の資料や時代によって変わっているようだ。
まるで明治の小説家・二葉亭四迷が「くたばってしまえ」から命名したのと同じようだ。
一方、作曲家の菊池俊輔氏は、タイガーマスク、仮面ライダー、赤いシリーズ、ドラえもん、スーパー戦隊シリーズなど、テレビやドラマの主題歌を数多く作曲している作曲家だ。
菊池氏が作曲したものは流行るという噂通り、インパクトは強烈だ。
私の個人的な思い出としては、
子どもの頃は、何も考えずに歌っていたりしたのだが、
高校生時代に「超人バロム・1」の再放送があった際、友人のひとりが突然、真面目な顔をして
「これは名曲だ!」
と言いだしたことだ。
「マッハロッドでブロロロローブロロロローブロロロローって、一体何の意味か全くわからない。そこがすごい!お前はどう思う?」
と真剣な眼差しで言われ、はじめて歌詞のことを考えた。
その時、自分が何と返答したかは覚えていないが、歌詞を気にしだしたきっかけになった。
確かにすごい歌詞だ。
この曲を歌っているのは、アニメソングのパイオニア水木一郎先生なのだが、水木一郎先生以外の人が歌う歌を聞いても、間が抜けて聞けたもんじゃない。
(なぜかYoutubeには、カバーした歌が結構アップされている)
「マジンガーZ」にしても「バロムワン」にしても、水木一郎先生は余人をもって代えがたい歌い手だ。
八手三郎、菊池俊輔、水木一郎、そして時代が作った名曲なのだろう。
ブロロロロー