定年前にして惑い未だ天命を知らない

定年前のアラフィフおやじの呟き、思ったことを綴る

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修羅の国・北九州市の成人式開催! 市役所担当者の心意気に感心した!

 

いつの頃からか、ド派手な成人式の代名詞になった北九州市の成人式

絶対にハズレがないからと、全国ネットのキー局も系列のテレビ局に頼むことなく、東京からキャスターを連れて必ずやって来ていた。

 

アクセス数を稼げるド派手な映像が撮れるからと、全国のYouTuberたちも遠くから貸切バスで会場に乗り込み、「北九州市の成人式」の知名度アップに拍車をかける。

 

そして「北九州市の成人式」の代名詞になったタイトルが修羅の国だ。

https://rocketnews24.com/wp-content/uploads/sites/2/2021/01/P1100059.jpg?resize=640,488

↑ Rocket NEWS24 【修羅の国2021】砂子間正貫より画像リンク

 

コロナ禍の中で、成人式の中止や延期のニュースが流れ、福岡県の感染者数も増えているので北九州市の成人式も中止になるかと思っていたが、本日、小雪か降る中で開催された。

↓「小倉経済新聞」参照

コロナ禍敢行、北九州の成人式 大雪でも「ど派手衣装」 - 小倉経済新聞 (keizai.biz)

 

同じ中学校の仲間が揃いの旗、揃いの衣装を着て、ヤンキーとして最後の花道を飾る。

衣装作りのために、自分でお金を積み立て、本当の意味での独り立ちを果たす儀式なのだ。

rocketnews24.com

 

全国区のメディア、Youtuberとローカルの視点の違い

派手さばかりを追いかける全国放送やYouTuberとは違って、いつの頃からかローカル局は、彼らの地道な生活にスポットを当てる番組を制作し始めた。

 

派手なリーゼントや金髪・銀髪は、翌日にはボーズ頭にして、サラリーマンや職人などとして仕事に出かける。

地元では「本当は親のスネをかじっている大学生たちよりも真面目なのよ」という風潮も広がり、非難する人達がいる一方で、暖かく応援している人達もいるようだ。

www.47news.jp

 

新成人の夢を叶える衣装屋、芸能人も御用達

彼らのド派手な衣装を手がけるのは「みやび」という貸衣装屋だ。

新成人のオーダーに合わせて、衣装を作り上げる。

「みやび」は、平成から令和に元号が変わった時に、ド派手な衣装を来て歌ったゴールデンボンバーの「令和」MVの衣装も手がけている。

www.youtube.com

 

また業界の中では、佐藤健らの映画衣装や着付けを手がけたことでも知られている。

 

御多分に洩れず、今年はコロナ禍の中で予約が半分ほどに減ったそうだが、伝統を守り続けて欲しいものだ。

www.msn.com

 

成人式はやめた方がいいのか?

SNSを見ると「成人式を中止しろ!」と言った過激な書き込みも見られる。

しかし、帰省のための切符を買い、一生に一度の晴れ舞台のための衣装を用意し、会社に休みももらって準備して来た新成人の気持ちを考えると、今回の北九州市役所の決断は勇気あるものだと拍手を贈りたい。

 

市役所としては、やめる方が簡単で、コロナのこともあるのでやめても誰からも怒られることはないだろうが、新成人の思いに応えたのだろう。

 

直前にやめても、新成人は帰ってきて飲み会に行くのならば、感染対策を万全に整えた成人式の中で、大人としての自覚を呼びかけ、感染防止の注意喚起した方が野放しにするよりはよほど感染拡大防止効果は高いだろう。

https://rocketnews24.com/wp-content/uploads/sites/2/2021/01/P1100031.jpg?resize=640,434

↑ Rocket NEWS24 【修羅の国2021】砂子間正貫より画像リンク

 

しかし1〜2週間後に感染が大きく広がれば、

「成人式をしたからだ」

「説明責任をとれ」

などという人たちも出てくるのだろう。

 

「新成人のための市役所の英断だった」と賞賛されるためにも、自粛警察に突き上げられるような、感染の広がりが起こらないことを願うばかりだ。

 

【追記】

翌日のメディアの発表などでは、北九州市の担当者は「新成人にとって一生に一度の式典なので、何とかお祝いしたかった」とコメントしたという。

北九州市の新成人で成人式実行委員会のメンバーも「中止もあり得たが、開催できたことが何よりもうれしい」と話したほか、他の成人たちも「感染対策をして式を開いてくれたので友達に会えた」と感謝を述べたそうだ。

一方で、12月末に中止を発表した大分市では、当初式典開催予定だった会場に新成人たちが晴れ着で集まり、一時的に密になったとのこと。

こうなることは安易に予測できた訳で、大分市の若者たち、成人の子を持つ親たちは、大分市の大人たちの決断をどう思ったのだろうか。

新成人を祝う大人の腹極めの姿勢の違いを感じた。

 

news.livedoor.com

 

 

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福岡県庁の新型コロナ感染者情報の漏洩問題。謝るのは県庁職員だけなのか?

 

福岡県が管理していた県内の新型コロナウイルス感染者に関する情報が、1ヶ月以上にわたって、ネット上に公開されていたことが判明したというニュースが流れた。

そこで今回の経緯と、本当に県庁だけが悪いのかという点について、整理してみた。

f:id:danhikoichiro:20210109211937p:plain

福岡県庁ホームページの告知画面

経緯を整理してみる

令和2年4月

  • 福岡県が、県内の新型コロナ陽性者の入院調整のため、調整本部が作成した陽性者のデータを医療関係者間においてクラウドサービス上(グーグルドライブ)で共有を開始
  • クラウドは、調整本部から送られた特定のURL指定によりフォルダに直接アクセスするか、又は調整本部からアクセス権を付与された者しか利用できないように設定

去年11月30日

  • 調整本部から医療関係者1名へ患者情報等が含まれるファイルが入ったフォルダのアクセス権が付与されたメールを送信したつもりが、県外に住む男性のアドレス宛に誤送信
  • 同日、誤送信を受けた男性から「宛先を間違っている」と調整本部に連絡があり、即日、上記ファイルが含まれるフォルダについて同男性のアクセス制限対応を実施
  • しかし個別のファイルへのアクセス制限がなされていなかったため、ファイルのURLに直接アクセスすれば利用可能な状態が継続していた。(県庁側の設定ミス)

令和3年1月6日

  • 誤送信を受けた男性が報道機関に情報をリーク。
  • 一部報道機関から福岡県庁への取材により、個人情報の漏えいが発覚。
  • 福岡県庁が、クラウド上にアップロードしているファイルを全て削除。
  • 現在、全ての者が閲覧できない状態に。

そして現在は、すべてFAXで対応しているとのことだ。

 

情報は真っ裸でネットに公開されていた訳ではない

 この新聞記事やテレビのニュース報道等には大きな虚偽がある。

「患者の情報がネット上で公開されていること」が分かりました

という事実はないということだ。

 

クラウドサービス(グーグルドライブ)が使われたということだが、セキュリティ対策を取っているため、「調整本部から送られた特定のURL指定によりフォルダに直接アクセスするか、又は調整本部からアクセス権を付与された者しか利用できない」状態になっているにも関わらず、「ネット上で公開されている」と表現したことだ。

 

例えば、現在、インターネットバンキング、ネット納税など、いろいろなものがネットを通じて行われているが、それぞれID、パスワードなどで管理されているため、アクセス制限しているものを「ネット上で公開されている」と表現することはない。

ネット上で公開された記者レクチャーを見た人ならわかるが、福岡県の不幸は、レクチャーの際に、クラウド管理についての知識がない記者が質問し、ネット技術に明るくない県の担当者が説明しているという点だ。不幸にも、わかっているものが聞いたらかなりトンチンカンな質疑が繰り返されたのだ。

「特定のURL指定」という表現が微妙だが、真っ裸でさらしている訳ではないようだ。

 

ネット上でもいけないことはいけない

このニュースを聞いて不思議に思ったことがある。

福岡県庁は煩雑なコロナ患者の入院調整等を保健所と病院側等で調整しやすいようにクラウドサービスを使っていたということだが、これをネット上ではなく、通常の社会にあてはめてみるとわかりやすくなるので説明してみる。

  1. 福岡県庁職員は医師らとの情報共有をしやすくするために共同で使えるシェアオフィスを借りて、そこに福岡県庁職員、病院、保健所の人が自由に集まって、入院調整をしていた。
  2. しかし福岡県庁の職員は、医者に渡すつもりのシェアオフィスのドアのキーナンバーをうっかりと別の人Aさんに渡してしまった。
  3. 間違ってドアのキーナンバーを受け取ったAさんは「間違っていますよ」と福岡県庁の職員に教えていた。(しかしキーナンバーは変わらなかった)
  4. 間違ってドアのキーナンバーを受け取ったAさんは、時々、シェアオフィスに行きキーナンバーを変えたかな?とシェアオフィスに入っていたが、福岡県庁の職員はドアのキーナンバーを変えておらず、Aさんは、いつまで経ってもシェアオフィスに入れていた。
  5. そしてAさんは、シェアオフィスの中にあった個人情報ファイルの写真を撮影し「福岡県のキーナンバーの管理がなっていない」とテレビ局等に撮影した個人情報ファイルの写真を情報提供した

ということになる。

「3」の時に「間違って送ってますよ」と言われたときにドアのキーナンバーを変えなかった福岡県庁職員の管理も問題となるが、

その部屋に入れる権利がないことを知りながら、何度もシェアオフィスに入って、しかも置いていた個人情報ファイルを見続けたAさんの行動も問題となる。

更に、その個人情報が記載された写真を、個人情報の権利者である9500人の個々人の許可なく撮影し、テレビ局等に送っているのだ。

実は、その情報を受けて、もしテレビ局も教えてもらったキーナンバーでこっそりとシェアオフィスに入っていたら、それも問題となる。

 

不正アクセス行為の禁止等に関する法律

不正アクセス禁止法」という法律があり、今回の事案はこれに抵触することになる。

平成12年2月13日に施行された、アクセス権限のないコンピューターネットワークに侵入したりすることなどを禁止する法律だ。

ネットの特殊性からできた法律なのだが、

一部抜粋すると

不正アクセス行為の禁止)
第三条 何人も、不正アクセス行為をしてはならない。

不正アクセス行為を助長する行為の禁止)
第五条 何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、アクセス制御機能に係る他人の識別符号を、当該アクセス制御機能に係るアクセス管理者及び当該識別符号に係る利用権者以外の者に提供してはならない。

(他人の識別符号を不正に保管する行為の禁止)
第六条 何人も、不正アクセス行為の用に供する目的で、不正に取得されたアクセス制御機能に係る他人の識別符号を保管してはならない。 

つまり、誤送信を受け取った人は、

自分には権利がないと知りながら再度アクセスしたこと(第三条違反)

権利者でないテレビ局にアクセスキーを教えたこと(第四条違反)

再度アクセスができるか確認するために、送られてきたURL等を保管していたこと(第六条違反)

ということで、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金(三条違反)等に値する罪となる可能性があるのだ。

 

結果として

よく新型コロナウイルス感染症の説明をする際に「正しく恐れて」という言葉を聞く。

ネット上やワイドショーなどの中途半端な知識で、必要以上に新型コロナウイルスを恐れたり、感染した人を非難したりしないようにするための決まり文句だ。

現在、感染拡大の中で、4月から福岡県庁、保健所、医療機関が入院調整のために使っていた仕組みをやめ、FAXでやり取りしているという。

問題はクラウドサービスという仕組みが悪いのではなく、アクセス権限の付与の仕方、データの取り扱いのところでの問題であり、膨大なデータのやり取りをFAXで行えば、また違ったところで誤送信や記載ミス等の問題が発生する可能性もある。

福岡県庁の上部の人たちにクラウドサービスを説明することは非常に困難だと思うが、今回の問題発生のようなことを正しく恐れて、より使いやすいクラウドサービス等を構築して欲しいと思う。

また今回の問題には、もしかすると誤送信された人が県庁に対してお金を請求していたとか、脅していて金額交渉のもつれでテレビ局に公開したといった、別の問題が隠れているのかもしれない。(あくまでも想像だが)

テレビ局も単に体制批判ばかりするのではなく、不正アクセス防止の観点から、再度報道することを真に求めたい。

  

www.pref.fukuoka.lg.jp

 

 

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新型コロナ対策に対する昨今の考え方の変化 解決策は医療体制にあり

 

既に周知の事実であるが、新型コロナウイルス感染症は誰でもかかる可能性があり、市中感染が広がっている中で、飲食店だけを閉鎖しても感染を抑制することはできない。

 

昨年末、山猫総合研究所代表で、国際政治学者の三浦瑠麗の発言から、世間の論調が変わりだした。

東京都医師会らの「医療制度が風前のともしびになりかけている」という発言に対して異議を唱えたのだ。

三浦瑠麗の主張は以下のとおりだ

  • コロナ患者の受け入れを拒否している方々(医師会、民間病院)が、なぜか「医療崩壊の危機」を投げかけている
  • ごく少数の病院だけにコロナ患者を集中させた結果、そこが悲鳴を上げている
  • コロナ対応が始まって半年たっているのに、医療体制がこんなに簡単に崩壊してしまうかについての分析は1つもない
  • 感染症が冬に拡大することは春からわかっていたはず

ご存じのとおり、医師会とは「開業医」が加盟する団体であり、今回コロナ患者を受け入れている地域の中核病院などは医師会に加盟していない。

 

この彼女の勇気ある発言が発端になったかどうかは不明だが、昨今、コロナに関するコメンテーター等の方向性が大きく変わりつつある。

つまり、無症状者が感染を拡大させる新型コロナ特有の市中感染の広がりに対しては、飲食店の営業時短などは対処療法でしかなく、根本は医療体制の見直しだという論調である。

 

www.rbbtoday.com

news.livedoor.com

 

フリーキャスターの辛坊治郎も「新型インフルエンザ等対策特別措置法」の改正に際して、医療機関に対する強制力、

例えば、病気の患者をこれぐらい受け入れろなど、政府や自治体が病院へ指導できるような法律が必要

と説く。

また辛坊氏は、神奈川県の黒岩祐治知事の「医療崩壊の可能性」の発言に対して、

(県知事が)県内の総病床数も把握してないのに、どうして医療崩壊と言えるのか。
総病床数のうち、何%をコロナ病床にしているかもわからないのに、逼迫という表現はおかしい

という論調だ。

  

厚労省医系技官で医師の木村盛世も、医療体制の問題に目を向ける。

新型コロナウイルスの致死性は他のコロナウイルスSARSやMERS、インフルエンザと比べて毒性が低く、この程度の感染者数で日本の医療崩壊が懸念されるのは、新型コロナを「指定感染症2類相当(一部I類)」という高レベルに指定してしまったため、新型コロナ患者の受け入れ病院が限定されてしまったことによる。これが医療崩壊危機の実態と述べている。

また三浦瑠麗と同じく、昨年の春以降、国や医師会は医療を総力戦の体制にしておくべきだったとも述べ、コロナにおける医療体制の問題に警鐘を鳴らしている。

そして、提案の一つとして、

国が感染症レベルをインフルエンザと同じ5類にまで引き下げれば、受け入れられる病床が一気に増え、それにより医療崩壊という危機は解消するはず

であると指摘している。

一方で、現在政府が行っているような、

医療崩壊を防ぐため」と称した外出自粛、飲食時短等の対策をすると、経済を止めると医療ではなく社会そのものが崩壊する

として、安易な時短要請等のための緊急事態宣言には反対の立場だ。

また日本には、世界で最も多いともいわれる160万の病床があるが、新型コロナに対応できる病床数はその2%の3万床しかないことが一番の問題と指摘している。

ただし、病床数や呼吸器を扱える医師を増やすことは簡単にはできないので、

「地域間搬送」と「高齢者対策」の2つの対策が政府として取りえる方策である

と提案する。

「地域間搬送」

昨年春にイタリアが医療崩壊を起こした時にドイツが重症者を引き受けたように、医療が逼迫している地域から患者をそうでない地域に送る仕組みづくりである。

首都圏や関西圏など、近隣地域間では同様の問題を抱えているため、例えば自衛隊のヘリ等を輸送班として協力してもらうなど、コロナ対応の日本国内で平準化して対応することが一つの提案だ。

「高齢者対策」

高齢者に重症化リスクがあることが問題なので、高齢者が、なるべく外に出ないようにするため、国や地方自治体は宅配サービスの充実や、体力が落ちてしまわないようなトレーニングの提供などの対策を講じるというものだ。

実際、非常に残念なのは、重症化リスクが高い高齢者が昼間カラオケに行ったり、対策をしていないことなので、そこを強めようということだ。

「カラオケを歌って死ねるなら本望」などと言っているのをテレビで見たりするとガッカリする。

そして木村盛世が強調するのは

緊急事態宣言によって一時的に陽性者が減っても、ウイルスそのものが簡単に消えるわけではない。

つまり緊急事態宣言を出して陽性者数が一時的に減ったとしても、あくまでも一時的でウイルスがなくなるわけではないこと。

早期発見・早期封じ込めをすればウイルスがなくなると思っている方もいるようだが、それは違う。

積極的疫学調査は、一時的に広がりを抑えるだけで、根本的な解決策ではないということ。

やはり最終的には医療体制を立て直していくしか方法はなく、このままでは「医療崩壊だけでなく“居酒屋崩壊”が起き、社会経済活動が立ち行かなくなってしまう」と、警鐘を鳴らしている。

 

news.yahoo.co.jp

news.yahoo.co.jp

 

4月の緊急事態宣言の時に、「人と人の接触を8割減らせ」と発言したことで「8割おじさん」とも呼ばれている京都大学大学院医学研究科・西浦博教授数理モデルを駆使した分析を続けている。

「人と人との8割の接触を削減」という無理難題を突き付けたことから非現実的思想の人という風潮で扱われた経緯を持つが、

  • 緊急事態宣言が解除された後の第2波の襲来で7月中に都内の感染者数が1日100人以上になること
  • 秋以降の第3波の襲来

などを的中させている。

西浦教授の試算では、

今回の緊急事態宣言のような飲食店の時短を中心とした施策だけでは、感染者数は2カ月後も現状とほぼ同水準にとどまる

と分析している。

 

つまり、営業時間の短縮要請に応じた飲食店に対する協力金を1日6万円払っても、根本的にはなんの解決にもならないのではということである。

また厚労省医系技官で医師の木村盛世が言っているように、一時的に陽性者が減っても、ウイルスそのものが簡単に消えるわけではなく、飲食店の時短は、ただの対処療法でしかない。

 

日本の医療体制の問題点

日本は欧米諸国に比べると感染者数は圧倒的に少ない。

一方で、人口1000人当たりの病床数は13床で世界一の数でOECD平均の3倍近くある。

しかし医師数、看護師数はOECD平均並みで、病院、病床ごとにみると、かえって手薄な状況となっている。

(ヨーロッパ各国のコロナ重症者を受け入れているドイツは、医師数で日本の1.7倍、集中理療専門医では日本の7倍、日本は病院数、病床数、CT、MRIは多いが...)

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日独の医療体制比較、NIRA オピニオンペーパーNo. 54 | 2020 年 10 月、翁百合NIRA 総合研究開発機構理事/日本総合研究所理事長

また公立病院の経営改善化の流れで、地域の中核となる公立病院の病床数削減や診療所化、廃止、民間移譲、統廃合等が進められた結果、公立病院の割合がOECD加盟国と比べても低いため、他国では公立病院が中心に担っているコロナ病床増設のハードルが高いこともあるようだ。

今回の第三波では、患者数の増加に比べて、無症状者・軽症者が多く、重症者数の割合はあまり高くないと聞く。このため、無症状、軽症の患者を積極的にホテル療養に回すことで、医療体制の崩壊を防ぐことが重要だ。

 

これら各氏の意見を総合し、昨今のメディアの流れが医療体制強化に傾きつつある中、これを味方につけて

  • 看護職員等の待遇が民間病院に比べて優遇されている公立病院のコロナ専門病院化を更に進める
  • 政府や自治体の権限で、コロナ病床を増設(ドイツではコロナ禍の中、政府主導でICUを1万2千床増床)
  • 公立病院をコロナ専門病院化した際に、公立病院が抱える一般病床患者の民間病院への転院調整
  • コロナ患者があまり出ていない地域への患者移送など、全国的な患者分散計画の推進
  • 無症状、軽症者用のホテル療養の確保

等、新型コロナ患者に必要な医療・療養体制を確保することで、今回の波を乗り越えた方が、経済を痛めない根本からの対策になるのではないか。

 

 
f:id:danhikoichiro:20210417104206p:plainサイトマップ - 定年前にして惑い未だ天命を知らない

  

雪の日に長靴で通勤すると注目を集める件

 

私の住んでいる地域は、年に数回ほど雪が積もるエリアで、積もった日は完全に交通機関が麻痺してしまう。

車用のチェーンやスタッドレスタイヤを持っている人はスキーやスノボーをやっている人ぐらいで、雪の日は車が立ち往生している姿をよく目にする。

実際、ツルツルになっていないタイヤであれば、FFの車だと、ある程度の雪は大丈夫なのだが、なんせ住んでいる人が雪道を運転した経験に乏しいため、いつも通りに急ブレーキを踏んだり、ギアチェンした時にタイヤを取られたりして、スタックするのだ。

 

そんな地域だから、子どもには長靴を買ってやるが、大人の人で長靴を持っている人はとても少ない。

たまたま私は洗車用として買っているので、雪の日は長靴を履いて出勤する。

 

長靴の靴底はビブラムソールのように滑りにくくなっていて、雪道でも結構歩きやすいのだ。雪が溶けてベチャベチャになっていても、なんの心配もない。

 

通勤途中、革靴を履いたサラリーマンが滑って雪でこけたり、何故か雪の日にパンプスを履いた女性がベチャ雪で足をビチョビチョにしている中、長靴の私は颯爽と歩けるのである。

みんな私の歩きを羨望の目で追いかける。

「お前たち、雪の日の備えがなってないね」

などと威張りたいくらいだ。

 

仕事場にはサンダルを置いているので、その日一日はサンダルでの仕事になる。

隣の男性は雪で濡れた靴下を干していたり、女性は泣きそうな顔でパンプスに新聞紙を詰めたりしている。

「可哀想な奴らだ」

と、周りを蔑みながら仕事を終えて帰路につく。

 

すると、元々、雪が降ることが少ない地域なので、結構な確率で昼の晴れ間で道の脇や植え込み以外は雪がすっかり溶け、夕方ごろには車も通常通りに走ったりしている。

なのに、私がその日履いて帰るのは長靴だ。

しかも服はスーツにコート。

 

どこの田舎から来たの?と思われるような、田舎っぺスタイルである。

 

雪の上では最強だった長靴は、歩くたびにズカッズカッと音を立て、周りの人達の注意を引くのに十分なくらい目立っている。

「朝、雪が降ってたよね」

と、みんなに言い訳したい気分になる。

 

小さな長靴音が聞こえたかと思ったら、青やピンクの長靴を履いた未就学のちびっ子たちだ。

学校帰りの女子高生たちから、

「魚屋さんですか?」

「何があったんですか?」

と、話しかけられそうで怖いくらい恥ずかしい。

 

心の中でつぶやく。

「だから長靴持っていない人が多いんだ。替えの革靴持ってくるんだったなぁ」

 

普通にそのまま家に帰れるときはいいのだが、急に飲み会が入ることがある。

そんな時に限って、客の都合でどうしても抜けることができなかったりする。

そしたら長靴が格好の話のネタになる。

「あぁ、そういえば朝方雪が結構降っていましたよね、( ̄∇ ̄;)ハッハッハ」

などといじられる。

格の高い割烹などに行くと、下足番の人が少し笑っている気がする。

「どうせ俺は長靴ですよ」

と開き直りたくなる。

フランス料理やイタリア料理だと、周りのテーブルの人の視線が痛い。

 

そして、飲み会の後しばらくして、取引先との協議の際に私の名前を思い出すためのキーワードとして、

「ほら、あの長靴はいてた人」

などと、まるで「長靴を履いた猫」のような呼び方をされるようになる。

 

雪の日に長靴を履くべきかやめるべきか

重要な問題である。

 

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栗きんとん+ホイップクリーム=モンブラン

 

正月はおせち料理だ。

最近は、手作りしない人も多く、以前、通信販売でおせち料理を頼んだら、スカスカのお重が送られてきたなどとニュースになったりしたこともある。

 

しかし私は正月にはおせち料理を一部作っている。

担当は、栗きんとんだ。

 

結婚したての若かった頃、甘党の私は、腹いっぱい栗きんとんを食べたいと思い、栗きんとん作りに立候補した。

料理本を見ると、実は作り方は意外と単純なのだ。

 

サツマイモの皮を厚めに剥き、水に一晩漬ける。(ここで色の悪い部分は捨てる)

途中1時間つけたくらいで、アクで濁った水を入れ替える。

翌日、水を入れ替え、色付けのくちなしの実(これで黄色になる)を入れて、芋が軽くつぶせるほどに柔らかくなるまで煮る。

お湯を捨て、芋を裏ごしする。

裏ごしした芋に、水あめ、栗の甘露煮の汁を入れて煮る。(お好みに合わせて砂糖を入れる)

栗の実を入れて熱を通せば完成

と、いたって単純な料理である。

 

しかし唯一のハードルがあった。

裏ごしである。

初めて作った年は、芋を裏ごしするのに「馬毛うらごし」を使ったのだが、芋の繊維がですぐに目が詰まった。

また力を入れて木ベラで芋を潰しながら裏ごしするので、汗びっしょりになった。

裏ごしによって、非常に滑らかな口当たりの栗きんとんが出来たが、師走の終わり、とても寒い日だったが、最後には上半身裸になるくらい発汗し、非常に体力を消耗した。

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馬毛うらごし

 

翌年は、学習機能を働かせ、馬毛うらごしよりも目の粗い金属製の振るいを使って裏ごしすることにした。

髪の毛が落ちないように頭にタオルを巻き、木べらで裏ごすのだが、やはり芋の繊維質でふるいが目詰まりし、汗びっしょりになった。

 

3年目になると「今年も栗きんとん作らないといけないのかなぁ」と思うようになっていた。一年前の辛い思い出が走馬灯のようによみがえる。

「栗きんとん、作るって言わなければよかったなぁ」

もう栗きんとんは私の担当になっていたので、作らない訳にはいかない。

ネガティブな発言をすると

「新婚の時はしてたのに…」

と直ぐに言われてしまう。

 

そこでたまたま買った「くちなしの実」の袋の裏側に、裏ごしせずに、マッシャーでただ潰すだけという作り方が書いていたので、右にならえと裏ごしせずに作ることにした。

できた栗きんとんを食べた母親(我が子から見るとおばあちゃん)は、

「芋がなめらかじゃない」

と言っていたが、食物繊維があった方が健康にも良さそうだし、何よりも汗びっしょりになることもないので、それ以降は、ずっと裏ごしをせずにマッシャーでつぶす作り方が定番となった。

 

このため、マッシャー2年目からは、芋を切るときマッシャーで潰しやすいように、5ミリ~1センチくらいの厚みで輪切りにすることにした。

そうすることで、出来るだけ繊維質を切り、煮たらすぐにクタクタになる。マッシャーで押したらベチャッと簡単に潰れるようになった。

 

そんなこんなで10年以上、栗きんとんを作っていたが、50歳を超えて、最近は甘いものをたくさん食べることが辛くなってきた。

身体の代謝が落ちてきたからなのかもしれない。

若い頃は、正月休みには毎食、栗きんとんをボソッと容器から取って好きなだけ食べていたのだが、あまり量が進まなくなった。

 

ホイップクリームとの出会い

たまたま冷蔵庫に、クリスマスに娘がケーキを作ったときのホイップクリームが残っていたので、栗きんとんにかけて食べると

「おおぉ、モンブランだ」

そういえば、うちの家族はみんなモンブランが好きで、東京土産は羽田空港で必ず

「和菓子屋のモンブラン小波~」を買っているのだ。

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スポンジのないモンブラン 小波

和菓子屋のモンブラン〜小波〜|鎌倉五郎本店へのリンク


それからは、ホイップクリームがなくなるまで、家族内でモンブラン争奪戦が起きた。

 

モンブランでも、おせち料理と言っていいだろうか。

おすすめです。

 

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美のオリンピック ミス・インターナショナルで大活躍?した件

 

ミス・ユニバースとともに「美のオリンピック」とも言われる「ミス・インターナショナル・コンテスト」(正式名Miss International Beauty Pageant)というミスコンをご存じだろうか。

1960年に米国カリフォルニア州ロングビーチで誕生

1968年~1970年に大阪万国博覧会を記念して日本で開催され、

2004年、2006年は中国・北京、

2008年はマカオ、2009~2011年は四川省成都で開催、

そして2013年以降は、ずっと東京で開催されている。

 

実は独身時代、この大会に関連した仕事をしたことがある。

 

まずはミスたちを受入れる会場をセッティングした。

私の身長は176cmで男性の中でもそんなに背が低い方ではないのだが、ミスたちの身長は自分よりも高く、歩き方も颯爽としている。(ヒールのせいもあるかな?)

 

我々が並べたチンケなスタッキングチェアでも、彼女たちが座るとハンス・ウェグナーデザインの椅子に見えるくらいのオーラだ。

少し小柄なミス・オランダと魔女のコスプレをしているミス・ルーマニアが、日本人スタッフの間では人気だった。

「昔からオランダ人女性はいいんだよ。だからダッチワイフというんだ」

と、本当かどうかもわからない話をしだす年配のスタッフもいた。

 

運営でバタバタしている中で、ミスの中に当然いる「ミス日本」が、何人もいるスタッフの中で私に話しかけてきた。

「ちょっとあなた。スタッフの方?」

「STAFF」と書いた名札を付けているから、どこからどう見てもスタッフなのだが、わざわざ確認してきた。

当時、独身だった私は、きれいなだけでなく、聡明そうなミス日本から呼びかけられただけで、かなりうれしかった。(俺は選ばれたのかな?)

「はい、スタッフです」

もう少し気の利いたことが言えれば良かったのだが、安直な返事だけしかできなかった。せめて名前くらい言えば良かったかと後悔した。

私の動揺を気にすることなく、ミス日本が話しかけてくる。

「ミス・ハワイのストッキングが破れて替えがないらしいんだけど、すぐに買ってきてくれない」

そんなこと私の仕事にはない業務だが、隣では申し訳なさそうな雰囲気でミス・ハワイが微笑んでいる。ここで断ったら男がすたる。

「それは...。どんなストッキングがいいんですか?」

黒髪の、エキゾチックな女性だったので、我々からすると外国人女性が付けているイメージである、ガーターベルトとガーターストッキングを使っているかもしれないと思い確認した。

https://hawaii.jp/wp-content/uploads/2017/03/Allison-Chu.MH2016..jpg

Allison Chu – Miss Hawaii 2016 – c2016
Paul Hayashi Photography – All Rights Reserved

(注)私が対応したミス・ハワイは、年代が違うのでこの女性ではない。 

 

私の質問をミス日本がミス・ハワイに英語で話し確認してくれた。(と思う)

やはり聡明なんだ、ミス日本。

「パンストでいいと思うわ。黒のものを急いで買ってきて」

言葉が上から降りてきた。

聞きたいことはいろいろあったが、何を聞けばいいかもわからず、その場に存在していることが辛かったので

「わかりました」

とだけ返事し、急いで近くのスーパーマーケットに向かった。

 

スーパーは2階建ての建物で、1階が生鮮食料品、衣料品は2階に置いていた。

婦人下着の横にストッキング売り場があったのだが、今までストッキングなんて買ったことがないので何を買っていいかわからない。

いくつかを取ってみていると、50歳前後のおばちゃん店員が不審な顔つきでやってきた。

「何かお探しですか?」

文章ではイントネーションが正確に表せないが、完全に何か疑っている聞き方だ。

「ストッキングを買いに来たんですけど、よくわからなくて」

おばちゃん店員の目は、まだ疑っている。

「どなたがお履きになるんですか」

おばちゃん店員は、俺が履くと思っているのかもしれない。

「近くでイベントをしていて、女性から頼まれたんです」

おばちゃん店員は少しホッとした雰囲気で、

「どれくらいの身長の方ですか?」

とサイズの見当をつけるために質問してきた。

「身長は私より高いくらいです。外国の方で、足の長さは私の1.5倍くらいはあるかもしれません。黒いストッキングを買ってきて、と言われたんですよ」 

おばちゃん店員が完全に引いている。

「うちには大きいものでも日本人用のLLまでしかないですよ」

確かにそうだろう。私よりも大きな女性はあまり見たことがない。

代わりに私が試着する訳にもいかず、とりあえず予備が1枚もなかったらいけないので、あまり高くなくて、2枚入りの福助の黒いストッキングを買うことにした。

「これくらいが普通ですか?少しくらいサイズが違っても伸びますか?」

と、おばちゃん店員に尋ねた。(今思えば全くの愚問だ)

「そ、そうですねェ、大丈夫じゃないですか」

私の「普通」という質問も微妙だが、おばちゃん店員の曖昧な返答も仕方がなかったんだろう。

 

急ぎ会場に戻り、ミス日本にストッキングを渡す。

後ろにはやはりミス・ハワイがいて、ニッコリとPRICELESSの笑顔のお礼をくれた。

福助の奴なんですけど、大丈夫でしょうか?」

ストッキングを買ったことがない男のなさけない言い訳をする。

「たぶん大丈夫だと思うわ。ありがとう」

ミス日本の心のこもっていない笑顔のお礼だった。

彼女から見たら、私は名もなき「STAFF」なのだ。

もしかすると数あるSTAFFの中から「こいつなら言うことをきくだろう」と見抜き、私に話しかけてきたのかもしれない。

ズバリ、お見込みのとおりである。さすがミス日本、完敗だ。

 

運営に戻り、バタバタしていると向こうから、ステージから降りたミス日本とミス・ハワイが歩いてきた。

ストッキング大丈夫だったかな?と心配している私の横を、ミス日本は目も合わさずに、さっそうと通り過ぎた。

しかしミス・ハワイは、ストッキングを指さして、英語で「&$#*?=・¥%」と話して通り過ぎた。

意味はわからなかったが、きっと

「あなたの買ってくれたストッキングぴったりだったわ。ありがとう」

などと言ったのだろう。

ニッコリと笑顔で手を振り、彼女とはその後二度と会うことはなかった。

 

そしてミスハワイの思い出として、私の右のズボンのポケットに、彼女の笑顔の代金「福助ストッキング 2枚組 ¥980-」と書かれたスーパーのレシートが残り、財布からは980円が消えていった。

 

 

 

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f:id:danhikoichiro:20210417104206p:plainサイトマップ - 定年前にして惑い未だ天命を知らない

  

ミュージシャンを目指していた彼

 

昔のビデオとの再会 

家の整理をしていたら、古いVHSのビデオテープが出てきた。

男の字で「DEAR ダンさん」と書かれている。

 

そういえば、昔の営業先で、

「俺、バンド組んでいるんです。是非、聞いてください」

と、言われてビデオテープをもらったことを思い出した。

 

かなり自信を持っていた若者で、就職先に満足していなかったので、もし歌が売れたら、その時の仕事から脱出したかったのだろう。

 

野心を持った奴だったので、大化けしてメジャーデビューしたら値打ちが出るかもと捨てずに取っていたが、あれから30年経ち、テレビやネットで彼を見たこともないので、多くの若いミュージシャンと同じように夢敗れたのだろう。

 

どんなバンドだったのかと、久しぶりにVHSのデッキにテープを入れる。

ガチャッとテープが飲み込まれたのを確認して、再生ボタンを押す。

 

狭いカラオケBOXのようなスタジオ。

画面の中心には黒いボディのベースを抱く彼の姿。

そしてボーカルマイクに向かって一言。

 

「レッツゴー」

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ベーシストを目指してみるか!

野太いカタカナのシャウトでバンドの演奏が始まった。

8ミリビデオ本体のマイクで拾った音も悪く、525本の走査線しかない3対4の映像は、長期保存した結果の磁気の転写で画面の端っこがピリピリしている。

 

低く、抜けの悪いこもり気味の声で、8ミリビデオのレンズを眼光鋭く見つめながら、おらんでいる。

「あ〜このままじゃ〜♪」

歌詞のフレーズは、彼自身の境遇を歌っているようだ。

 

「ごめんなさい。見ちゃった」

と、数十年前に戻って、彼に見てしまったことを謝りたいくらいのレベルのビデオだった。

これじゃあちょっと難しいかな...

 

情報発信のチャンスのハードルは低くなった 

今の時代ならきっと、編集した映像をYouTubeにアップしてメジャーデビューを夢見るのであろう。
しかし現実は、多くのバンドは視聴回数であるPVの低さに打ちのめされ、自分の立ち位置を知るのだろう。現実の厳しさもわかりやすくなったということになる。

 

あの頃はインターネットもまだ普及してなく、多くの人に知らせるすべがなかった。

今ならアイデア一つでのし上がることも可能だが、田舎の若者がVHSのテープをダビングして配っても、見てもらえる幅は交友範囲程度だ。

思い返してみると、時折、東京出張をしていた私にビデオテープをくれたのは、彼が私のことを「都会と繋がりのある人」と思い、メジャーデビューのきっかけづくりを期待していたのかもしれない。

 

新宿や横浜など、首都圏に住んでいれば、路上ライブでも考えるのだろうが、クラスの友達同士が下の名前で呼び合うような田舎では、路上で歌っても、近所のジジババか、小鳥や猪くらいしか現れない。

「大通りの団子屋のせがれが、駅前で歌っちょるがね」

などと、近所の散髪屋の話のネタになるくらいだろう。

 

やはりいろんなことが便利になっているのだ。が、しかし

今の若者はバブル時代の我々を羨むが、視点を変えて考えると、やはり今はいい時代なのかもしれないと思う。

しかし電波での放映権を持った大手メディアでさえも、安心して過ごせない時代。

マスコミの中核であった新聞も、広告をネットに奪われ、更に販売部数も落ち込んでいると聞く。変革が早く、本当に先が読みにくい。

 

コロナによって、更に国内外の経済地図が加速度的に変わりつつある中で、自分が今、大学生だったら、一体何をし、どこへの就職を目指すのだろう、と少しの間考えてみる。

変化に対応していけるものだけが勝ち抜ける厳しい時代がやってきそうだ。

 

「あぁ〜このままじゃ〜」

 

 

 

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