定年前にして惑い未だ天命を知らない

定年前のアラフィフおやじの呟き、思ったことを綴る

  検索 Search Engine

雪の日に長靴で通勤すると注目を集める件

 

私の住んでいる地域は、年に数回ほど雪が積もるエリアで、積もった日は完全に交通機関が麻痺してしまう。

車用のチェーンやスタッドレスタイヤを持っている人はスキーやスノボーをやっている人ぐらいで、雪の日は車が立ち往生している姿をよく目にする。

実際、ツルツルになっていないタイヤであれば、FFの車だと、ある程度の雪は大丈夫なのだが、なんせ住んでいる人が雪道を運転した経験に乏しいため、いつも通りに急ブレーキを踏んだり、ギアチェンした時にタイヤを取られたりして、スタックするのだ。

 

そんな地域だから、子どもには長靴を買ってやるが、大人の人で長靴を持っている人はとても少ない。

たまたま私は洗車用として買っているので、雪の日は長靴を履いて出勤する。

 

長靴の靴底はビブラムソールのように滑りにくくなっていて、雪道でも結構歩きやすいのだ。雪が溶けてベチャベチャになっていても、なんの心配もない。

 

通勤途中、革靴を履いたサラリーマンが滑って雪でこけたり、何故か雪の日にパンプスを履いた女性がベチャ雪で足をビチョビチョにしている中、長靴の私は颯爽と歩けるのである。

みんな私の歩きを羨望の目で追いかける。

「お前たち、雪の日の備えがなってないね」

などと威張りたいくらいだ。

 

仕事場にはサンダルを置いているので、その日一日はサンダルでの仕事になる。

隣の男性は雪で濡れた靴下を干していたり、女性は泣きそうな顔でパンプスに新聞紙を詰めたりしている。

「可哀想な奴らだ」

と、周りを蔑みながら仕事を終えて帰路につく。

 

すると、元々、雪が降ることが少ない地域なので、結構な確率で昼の晴れ間で道の脇や植え込み以外は雪がすっかり溶け、夕方ごろには車も通常通りに走ったりしている。

なのに、私がその日履いて帰るのは長靴だ。

しかも服はスーツにコート。

 

どこの田舎から来たの?と思われるような、田舎っぺスタイルである。

 

雪の上では最強だった長靴は、歩くたびにズカッズカッと音を立て、周りの人達の注意を引くのに十分なくらい目立っている。

「朝、雪が降ってたよね」

と、みんなに言い訳したい気分になる。

 

小さな長靴音が聞こえたかと思ったら、青やピンクの長靴を履いた未就学のちびっ子たちだ。

学校帰りの女子高生たちから、

「魚屋さんですか?」

「何があったんですか?」

と、話しかけられそうで怖いくらい恥ずかしい。

 

心の中でつぶやく。

「だから長靴持っていない人が多いんだ。替えの革靴持ってくるんだったなぁ」

 

普通にそのまま家に帰れるときはいいのだが、急に飲み会が入ることがある。

そんな時に限って、客の都合でどうしても抜けることができなかったりする。

そしたら長靴が格好の話のネタになる。

「あぁ、そういえば朝方雪が結構降っていましたよね、( ̄∇ ̄;)ハッハッハ」

などといじられる。

格の高い割烹などに行くと、下足番の人が少し笑っている気がする。

「どうせ俺は長靴ですよ」

と開き直りたくなる。

フランス料理やイタリア料理だと、周りのテーブルの人の視線が痛い。

 

そして、飲み会の後しばらくして、取引先との協議の際に私の名前を思い出すためのキーワードとして、

「ほら、あの長靴はいてた人」

などと、まるで「長靴を履いた猫」のような呼び方をされるようになる。

 

雪の日に長靴を履くべきかやめるべきか

重要な問題である。

 

にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ にほんブログ村 オヤジ日記ブログ アラフィフオヤジへ
にほんブログ村