修羅の国・北九州市の成人式開催! 市役所担当者の心意気に感心した!
いつの頃からか、ド派手な成人式の代名詞になった北九州市の成人式。
絶対にハズレがないからと、全国ネットのキー局も系列のテレビ局に頼むことなく、東京からキャスターを連れて必ずやって来ていた。
アクセス数を稼げるド派手な映像が撮れるからと、全国のYouTuberたちも遠くから貸切バスで会場に乗り込み、「北九州市の成人式」の知名度アップに拍車をかける。
そして「北九州市の成人式」の代名詞になったタイトルが「修羅の国」だ。
コロナ禍の中で、成人式の中止や延期のニュースが流れ、福岡県の感染者数も増えているので北九州市の成人式も中止になるかと思っていたが、本日、小雪か降る中で開催された。
↓「小倉経済新聞」参照
コロナ禍敢行、北九州の成人式 大雪でも「ど派手衣装」 - 小倉経済新聞 (keizai.biz)
同じ中学校の仲間が揃いの旗、揃いの衣装を着て、ヤンキーとして最後の花道を飾る。
衣装作りのために、自分でお金を積み立て、本当の意味での独り立ちを果たす儀式なのだ。
全国区のメディア、Youtuberとローカルの視点の違い
派手さばかりを追いかける全国放送やYouTuberとは違って、いつの頃からかローカル局は、彼らの地道な生活にスポットを当てる番組を制作し始めた。
派手なリーゼントや金髪・銀髪は、翌日にはボーズ頭にして、サラリーマンや職人などとして仕事に出かける。
地元では「本当は親のスネをかじっている大学生たちよりも真面目なのよ」という風潮も広がり、非難する人達がいる一方で、暖かく応援している人達もいるようだ。
新成人の夢を叶える衣装屋、芸能人も御用達
彼らのド派手な衣装を手がけるのは「みやび」という貸衣装屋だ。
新成人のオーダーに合わせて、衣装を作り上げる。
「みやび」は、平成から令和に元号が変わった時に、ド派手な衣装を来て歌ったゴールデンボンバーの「令和」MVの衣装も手がけている。
また業界の中では、佐藤健らの映画衣装や着付けを手がけたことでも知られている。
御多分に洩れず、今年はコロナ禍の中で予約が半分ほどに減ったそうだが、伝統を守り続けて欲しいものだ。
成人式はやめた方がいいのか?
SNSを見ると「成人式を中止しろ!」と言った過激な書き込みも見られる。
しかし、帰省のための切符を買い、一生に一度の晴れ舞台のための衣装を用意し、会社に休みももらって準備して来た新成人の気持ちを考えると、今回の北九州市役所の決断は勇気あるものだと拍手を贈りたい。
市役所としては、やめる方が簡単で、コロナのこともあるのでやめても誰からも怒られることはないだろうが、新成人の思いに応えたのだろう。
直前にやめても、新成人は帰ってきて飲み会に行くのならば、感染対策を万全に整えた成人式の中で、大人としての自覚を呼びかけ、感染防止の注意喚起した方が野放しにするよりはよほど感染拡大防止効果は高いだろう。
しかし1〜2週間後に感染が大きく広がれば、
「成人式をしたからだ」
「説明責任をとれ」
などという人たちも出てくるのだろう。
「新成人のための市役所の英断だった」と賞賛されるためにも、自粛警察に突き上げられるような、感染の広がりが起こらないことを願うばかりだ。
【追記】
翌日のメディアの発表などでは、北九州市の担当者は「新成人にとって一生に一度の式典なので、何とかお祝いしたかった」とコメントしたという。
北九州市の新成人で成人式実行委員会のメンバーも「中止もあり得たが、開催できたことが何よりもうれしい」と話したほか、他の成人たちも「感染対策をして式を開いてくれたので友達に会えた」と感謝を述べたそうだ。
一方で、12月末に中止を発表した大分市では、当初式典開催予定だった会場に新成人たちが晴れ着で集まり、一時的に密になったとのこと。
こうなることは安易に予測できた訳で、大分市の若者たち、成人の子を持つ親たちは、大分市の大人たちの決断をどう思ったのだろうか。
新成人を祝う大人の腹極めの姿勢の違いを感じた。