時々、仕事で東京に行っていた。
出張で動くときは、朝それほど早く動くことはなかったので、いわゆる東京の朝の通勤ラッシュを味わうことはなかった。
出張中、東京出身の富永(仮名)と電車を待っている時に、私がおじさんたちの列に並ぶと、富永が
「あっちに並ぶぞ」
と、女性が多い列を指さした
「いや、あっちは女性ばかりだから」
と返答したところ、すごく驚いた表情で
「お前、おやじが好きなのか?」
と言ってきた。
「えっ、おやじが好きとかある訳ないやん」
返答すると、
「じゃあ、あっちに行こう。俺は親父の頭の臭いを嗅ぎながら移動したくない」
と、スタスタと女性が多く並んでいる列に向かった。
まだ「女性専用車両」などがなかった時代、男性は自由に女性の近くにいれたのだ。
若い女性がいない列で電車を待っていた理由は、若い女性が多い列に並ぶと「若い女性と密着したい」という下心を持つ不審者のように思われるのではないかと考えての行動だったが、富永は力説した
「東京の地下鉄や電車は身動きが取れないくらいギュウギュウになるやろ、だからどうせ密着するのなら若い女性の方がいいに決まってるやろ。死臭がするような爺さんや、頭にポマードをつけたような親父と密着してみてん、スーツに変な油が付いたりするんぞ。俺は絶対に嫌。どうせなら爽やかな気持ちで移動したい」
と真顔で力説した。
言われてみると真っ当な話?なのだが、東京人と田舎者の考え方の違いを感じた。
そういえば、高校時代に友達から満員電車の話を聞いたことがあった。
※以下、一部、不快に思う表現がある場合はお許しください。R18?
私は自転車通学だったが、電車通学の友だち・市毛(仮名)が教室に入るなり
「今日の朝、気持ち悪かった〜」
と話し出した。
私たちの高校が利用する駅は、男女共学の私たちの高校のほかに、私立の女子高が3校、女子短期大学が1校使っていて、通学時間は女学生であふれていた。
東京のように電車の車両が多くないので、朝の通学時間に限っては、かなりギュウギュウになる。
しかし、一部の女子高生の言動は激しく、
「近くにくるな。男はあっちいけ」
などと言われることもあるそうで、男性陣はいつも固まって乗っているとのことだった。
「変態おやじがおったんよ」
市毛は、朝の状況を説明しだした。
話によると、いつもの男性チームのところで電車を待ち、電車の中では中年のおやじと密着したそうだ。
「朝のラッシュでギュウギュウになったんやけど、ちょうど中年のおやじと同じ向きになったんよ。そしたらさ、俺のち〇ぽが親父のケツの割れ目にぴったりとハマったんよ」
想像もしたくない光景だ。若い女性のお尻ならまだしも、中年のおやじのケツの割れ目とは...
「それだけやったらどうもなかったんやけど、その親父が、急にケツの力を入れたり、緩めたりしだしたんよ」
えええぇ~っ、恐ろしい状況だ。
「そしたら、なんかムズムズしだして勃起しそうになったけ、これで立ったらまずい、と思って無理やり身体をよじって横を向いたんよ」
高校時代は思春期の真っ盛り。
「若い力」とは恐ろしいもので、小さな刺激でも勃起するのだ。
脳では「ダメだ!」と思っていても、彼のち〇ぽを挟み込むオヤジのケツの筋肉の小刻みな動きが、彼の息子をジャッキアップさせるに十分だったということだろう。
「あれは絶対に変態やった」
と、少し興奮気味に力説する市毛君が、そっちの方向に目覚めないことを祈っていた。
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