定年前にして惑い未だ天命を知らない

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映画鑑賞録 おっぱいバレー(2009)

 

私の大好きな邦画に「おっぱいバレー」がある。

 

主演は綾瀬はるかさん。

今だったら絶対に出ることはないだろうというタイトルの映画だ。

 

1970年代末の北九州市にある架空の中学校を舞台に、思春期真っ盛りの中学男子バレー部員たちが、新任女性教師の「おっぱいを見たい!」という下心をバネにバレーに打ち込んでいく姿を描いた青春コメディ。


若い溌剌とした綾瀬はるかさんの真面目で垢ぬけないキャラクターが新任女性教師にピッタリで、彼女はこの映画でブルーリボン賞 主演女優賞と日本アカデミー賞 優秀主演女優賞を受賞している。

 

実話を基にしたという映画とのことだが、確かに自分の昔のことを思い出すと、中学時代の健全な男の子なら真剣に頑張れたのかも?と思ってしまう。さすが青春の力だ。

 

北九州市教育委員会が全面協力したということだが、教育委員会に説明した時の資料には「おっぱいバレー」ではなく「バレーボーイズ」という映画タイトルにしたと、以前、羽住監督が昔話をしていた。やはり「おっぱい」が付いたタイトルでは、教育委員会の壁を乗り越えるのは難しいと判断したのだろう。

 

出演した俳優の青木崇高さんは「おっぱいは男のロマン」と舞台あいさつでコメントしたとのことだが、思春期の男たちなら思わず納得の挨拶である。

 

しかし一方で、映画おもしろさとは裏腹に、興行成績の面はあまり芳しくなかったようだ。
この点では「おっぱい」というタイトルが悪い方に効果を発揮したのではないか。
(だから一部の男性たちにとっては、隠れた名作になるのではないか)

 

綾瀬はるかさんのファンであっても「おっぱいバレーを見に行くからお小遣いが欲しい」などと母親には言いにくいし、父親なら「俺も行きたい」とついてくるかもしれない。

社会人が「おっぱいバレー」を見たところを知り合いに見つかったら、「あいつ『おっぱいバレー』見に行ってたよ」と職場で噂されるかもしれない。
職場で映画タイトルを言っただけで「セクハラ!」と言われそうだ。

今だったらAMAZONNetflix等のネット配信で気軽に見ることができるが、TSUTAYAなどのレンタルビデオ屋だったら、レジで若い女性店員に「おっぱいバレー1泊2日で間違いなかったでしょうか?」と言われたら、思わず「間違いです」と言ってしまいそうだ。
しかも返却を忘れてビデオを返すときに、レジで若い女性店員に「おっぱいバレー3泊延長ですが大丈夫ですか?」と言われようものなら大変。快感を覚えて、わざと若い女性店員に「おっぱい」と言わせたくなるかもしれない。

 

まったく馬鹿らしい、まぬけで、でもひたむきな男子たちの映画なのだが、30代以降の男性なら、怖さも、毒気もないこの映画を、自分の青春時代を思い出しながら気軽に見ることができるのではないだろうか。

 

BGMには、ピンクレディーキャンディーズ甲斐バンドなど、1970年代を代表するヒット曲が使われているのだが、中でも私が気に入っているのが永井龍雲の「道標ない旅」。

哀愁を漂わせ、青春の真っ正直さ、はかなさがよく表現されている。
この映画のために作られた主題歌ではないため、「青春を旅する若者よ 君が歩けば そこに必ず道はできる」というサビのフレーズと映画の内容とは直接マッチしないのだが、きっと青春のころの思い出の1ページになっただろうということから考えると、大いにマッチしているのかもしれない。

 

もう一度青春の1ページを思い出したいなら、是非「ナイスおっぱい」を感じてください。

 

 

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