ワクチン接種について、国が言い過ぎじゃない?
医療従事者へのワクチン接種につづき、2021年4月12日から高齢者へのワクチン接種が始まった。
国からのワクチン供給が遅れ、医療従事者へのワクチン接種も十分にいきわたっていない中での高齢者のワクチン接種になったため、担当する各自治体によってワクチン接種は4月12日から打てるところと、19日から打てるところと、まちまちとなった。
通常は、それぞれの自治体がスケジューリングして募集して対応するものだが、
2月17日から医療従事者
4月12日から高齢者へのワクチン接種
と、ワクチン供給も、接種準備も万端になっていない段階で、国が勝手に日程だけアナウンスするために、各自治体の担当者は大変な思いをしているのだろう。
つい先日も、
「会場で打ちたいワクチンを自由に選べます」
と大臣補佐官が発言した後に、すぐに大臣が訂正したのも記憶に新しい。
ワクチン供給が遅れる中で、現在でも多くの医療従事者はまだワクチン接種できていない状態だし、接種券が届いていない高齢者が多くいる状況である。
また国からのワクチン供給量のあまりの少なさに、河野大臣も
「なるべく4月12日にスタートして、システムのチェックですとか、あるいは問診の予診のチェックですとか、いろいろなものを確認していただきたいと思っております」
と発言している。
会場を用意している自治体も、そんな少ない量でどう打たせるのか、苦労したと思う。
新型コロナウイルスの対策では、国主導で大臣たちが勝手にいろいろと言うシーンが多くみられるが、勝手に決められたことをやらなければならない末端の人たちはたまったものではないだろう。
ワクチン接種も今後本格的になることから、現段階でファイザーのワクチンに関する疑問について、いくつかまとめてみた。
- Q ワクチン接種をすると新型コロナウイルスに感染しないのか?
- Q ワクチン接種ができない人とは?
- Q 妊娠中、授乳中の人は、新型コロナワクチンを接種することができるのか。
- Q 薬を飲んでいる人は、ワクチンが接種できるのか?
- Q 過去に新型コロナウイルスに感染した人もワクチンを打てるのか。
- Q アレルギー疾患がある場合や、過去に重いアレルギー症状が出たことがある場合、ワクチンが打てるのか。
- Q 1回目のワクチン接種と2回目のワクチン接種の間はどれくらい開けるべきなのか。
Q ワクチン接種をすると新型コロナウイルスに感染しないのか?
ワクチンを接種して免疫(抗体)ができるまでには1~2週間程度かかる。
このため1回目の接種後から2週間程度は、ワクチンを受けていない場合と同じ状態となる。
また免疫がついても発症予防効果は100%ではない。(治験においてファイザーのワクチンを2回接種した場合の有効率は約95%)
発症予防効果が最も得られるのは2回目を接種してから7日程度経って以降で、接種が1回だと完全な発症予防効果を持てない。
Q ワクチン接種ができない人とは?
具体的には、かかりつけ医等に相談が必要となるが、
・37.5℃以上発熱している人
・重い急性疾患にかかっている人
・ワクチンの成分に対し、アナフィラキシーなど重度の過敏症の既往歴のある人
等はワクチン接種ができない。
ファイザーのワクチンにはポリエチレングリコールが含まれるため、このポリエチレングリコールに対して重いアレルギー反応を起こしたことがある方への接種は推奨されていない。
Q 妊娠中、授乳中の人は、新型コロナワクチンを接種することができるのか。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性は、現時点で特段の懸念が認められていない。
しかし、ワクチン接種のメリットとデメリットをよく検討して判断して欲しいとのことだ。
日本産婦人科感染症学会・産婦人科学会は、妊婦であっても「感染リスクが高い医療従事者、重症化リスクがある可能性がある肥満や糖尿病など基礎疾患を合併している方は、ワクチン接種を考慮する」と提言されているとのことだ。
授乳中の女性についても海外では接種の対象とされている。
いずれにしても、まずは主治医と相談することが重要だ。
Q 薬を飲んでいる人は、ワクチンが接種できるのか?
基礎疾患があり、免疫不全や病状が重い方は、接種を慎重に検討した方がよい場合がある。
この場合も、かかりつけ医と相談が必要だ。
Q 過去に新型コロナウイルスに感染した人もワクチンを打てるのか。
過去に感染した人も、新型コロナワクチンを接種することができる。
ただし、過去の感染からワクチン接種までは、一定の期間をおく必要があるので、いつから接種できるか不明な場合、主治医に確認したほうが良い。
新型コロナウイルスは無症状で感染している場合があると言われるが、特段の症状が出ていない場合、事前に感染したかどうかを検査して確認する必要はない。
Q アレルギー疾患がある場合や、過去に重いアレルギー症状が出たことがある場合、ワクチンが打てるのか。
米国の疾病予防管理センター(CDC)は、他のワクチンや食べ物に対して、重いアレルギーのある方も、新型コロナワクチンの接種ができるとしている。
一方で、過去にmRNAワクチンにアナフィラキシーなど重いアレルギー反応を起こしたことがある場合や、ポリエチレングリコールに対し重いアレルギー反応を起こしたことがある場合は、ファイザーのワクチン接種を推奨していない。
Q 1回目のワクチン接種と2回目のワクチン接種の間はどれくらい開けるべきなのか。
ファイザーのワクチンは、1回目から3週間後に2回目を接種することになっている。
必ず19日間は開けないといけない。接種から3週間を超えた場合は、できるだけ早く2回目の接種を受けることが推奨されているが、3週間を超えたからといって、接種を1回目からやり直す必要はない。できるだけ6週間後までに2回目を接種することが目安とされている。
結局、
インフルエンザ、三種混合など、ワクチン接種はそもそも地道な感染対策なんだから、国が無理やりカッコつけなくてもいいのではないか。と思っている。
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